自分の「ここだな」に戻れること

自分の「ここだな」に戻れること
今日、パーソナルレッスンの生徒さんから、とても嬉しいお話を聞きました。
先日、私が104歳の祖父と書道をした話をしたときに、
「字には、そのときの心の状態が表れるんですよ」
と何気なくお伝えしたことが、とても心に残ったそうです。

それで、ご自宅に帰ってから実際に書道をしてみたそう。
書いてみると、
子どもっぽい字になったり、
乱雑な字になったり、
逆に、とてもいい字が書けたり。
同じ自分が書いているのに、こんなにも字が変わるんだと気づいたそうです。

そして、スーッと無理なく筆が動いて、
「今日、いい字が書けたな」
と思えたときの自分を、よく観察してみた。
すると、
姿勢にも無理がなく、
体にも余計な力が入っていなくて、
心も静かだった。
そのとき、
「あ、私のいい位置って、ここなんだ」
と感じたそうです。
その言葉を聞いたとき、私はすごくいい気づきだなと思いました。

気づいたら選べるし、気づいたら戻れる
私たちは毎日、いろいろなことに影響を受けながら生きています。
人の言葉だったり、
周りから求められることだったり、
忙しさだったり、
自分自身の考えすぎだったり。
そうしているうちに、
「自分がどこにいるのか分からない」
そんな感覚になることがあります。

何が心地いいのか。
何が嫌なのか。
どこまで頑張れて、どこから苦しいのか。
自分のことなのに、分からなくなる。
だから大切なのは、
いつもいい状態でいることではなくて、自分にとっての「ここだな」を知っていることなのかもしれません。
力が抜けている。
呼吸がしやすい。
足の裏がちゃんと床についている。
頭の中が少し静かになる。
そんな自分にとって心地いい位置を知っていれば、ズレたときにも、
「あ、今ちょっと違うな」
と気づけます。
そして、また戻ってこられる。
私はヨガも、その練習ができるものだと思っています。
ポーズを上手にとることだけではなく、
今、どこに力が入っているのか。
どこなら呼吸がしやすいのか。
どの位置なら無理なくいられるのか。
自分の体を通して、自分にとっての「ここ」を探していく。
私自身も、そうやって少しずつ自分の心地いい位置を見つけてきました。
もちろん、毎日そこにいられるわけではありません。
揺れるし、ズレるし、分からなくなることもある。
でも、
戻る場所を知っていると、また戻ってこられる。

もし今、
なんとなく居心地が悪い。
なんとなくモヤモヤする。
自分がどうしたいのか分からない。
そんな感覚があるなら、
すぐに答えを出そうとするより、
「私は、どんなときに力が抜けているんだろう」
「どんなときに呼吸がしやすいんだろう」
そんなふうに、体の感覚から探してみてもいいのかもしれません。
自分にとっての、
「あ、ここだな」
という場所。
それがひとつ分かるだけでも、
自分に戻るための大切な目印になると思っています。


